市議報酬引き上げ議論は本会議に舞台うつす
2月5日(金)に第5回議会改革推進協議会が行われ、市議報酬に関する議論が行われました。
自民・民主・公明の3会派は1,455万円への増額、共産と減税は現状維持と、意見の一致を見ないまま、議論は打ち切られました。今後は、3会派からの議員報酬条例案の提出という流れに移ると考えられます。
党市議団政策審議委員長の山口清明市議のFacebookでの記事を一部編集して掲載します。
議会「改革」というのなら…市民の声を報酬や定数の議論に反映させよう
「改革」という言葉からは一般的に良い印象を受けます。ところが議会「改革」というときは、言葉に惑わされぬよう気をつけなければいけません。
名古屋市会に設置された議会改革推進協議会も怪しい雲行きです。いま自民・民主・公明は議員定数を7から10削減し、議員報酬は800万円から590万円ひきあげ約1455万円にしたい、と提案してきました。
定数削減は多様な民意の切り捨て
日本共産党は議員定数について現行定数の75を維持すべきと考えます。名古屋市議会基本条例では議員定数について「各層の多様な民意を市政に反映させるために必要な人数を確保」すると定めており、現行定数は多様な民意を反映させるため必要最小限の数です。定数削減は多様な民意の切り捨てです。
「身を切る」なら政務活動費こそ
信じがたいのは、定数削減では「身を切る」と言いながら、議員報酬を大幅に引き上げようとしていることです。議員報酬については、2011年の出直し市議選で示された「議員報酬は高すぎる」との民意はいまも生きており、現状の月額50万円を維持すべきと考えます。
市議の報酬月額は条例上99万円、これを15%削減の84万円まで引き上げ、年間では現行800万円から655万円も増額し1455万円に、という自・民・公の提案は、お手盛りや焼け太りと指摘されても仕方ありません。
「身を切る」のなら、現行報酬800万円を維持したうえで、毎月50万円の政務活動費こそ使途を厳密化し、額も削減すべきではないでしょうか。
天守閣木造復元を取引材料にするな
しかも報道によれば、天守閣の木造復元に賛成するかわりに、議員報酬の引き上げを容認するとの暗黙の了解が市長と一部の議員との間であるのでは、と指摘されています。
税金の使い道をチェックするのが議員の本業であり基本的な職務です。それを報酬引き上げのために投げ捨てるとしたら、とんでもない背信行為です。こんな馴れ合いや取引きは断じて許せません。
報酬額は議会だけで即決するな
議会基本条例では議員報酬について「地方自治法の趣旨を踏まえ、本市の財政規模、事務の範囲、議員活動に専念できる制度的な保障、公選としての職務や責任等を考慮し、別に条例で定める。」としています。具体的な額についてどう考えたらいいのでしょうか。基本は市民の声、民意ではないでしょうか。ですから基本条例には、報酬や定数を変更するときは、基本条例の趣旨を踏まえたうえで「民意を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を活用することができる」とうたっています。議会内の多数で即決するのは問題です。
定数・報酬議論に民意を反映させよう
市民の多様な意見を正確に反映する議員定数の確保は民主主義の基本です。議員の懐より市民の懐こそ温めるべきです。予算案が審議される2月議会では議会「改革」も焦点になります。議会基本条例の趣旨を踏まえ、定数や報酬の議論に市民の声を最大限に反映させるように力を尽くします。
来年度予算案示される
2月5日(金)2月議会で審議される来年度予算案が提示されました。現在審議に向けて精査中ですが、11月議会で私が質問し、1月の財政局案で却下されていたため市長査定での復活を直接市長に要望した、学童保育への家賃補助の増額について、現行の38,000円から50,000円に上限を引き上げる提案が含まれていることがわかりました。
金額はまだまだ不満ですが、国の助成制度からこぼれている部分を、名古屋市独自に助成する部分が増額になったのは大きな一歩です。
福祉・暮らしの予算が削られたり、市民サービスの低下が起こる予算案になっていないかどうか、十分精査の上、必要な論議を行ってゆきます。
委員会や本会議など、日程が確定し次第、この紙面や、日刊紙の折り込みやメールマガジン、ウェブサイトなどでおしらせします。
大雑把な予定としては、次の表のような流れだと予想されます。
2月19日(金) |
2月議会召集 |
25日(木) |
本会議 |
26日(金)〜3月2日(水) |
常任委員会 |
3日(木) |
代表質問 |
4日(金)〜8日(火) |
個人質問 |
9日(水)〜17日(木) |
常任委員会 |
18日(金) |
本会議 |
22日(火) |
(予備日) |
2月議会は、天守閣木造復元に関する予算や、いじめ問題に対する対策としてスクールカウンセラーの配置だけが優先課題なのかどうか、議員定数・報酬に関する条例案、など、市民生活に直結する重大議案が目白押しです。
市民の目で議員が何を語るのか、しっかりと見ていただくことが、より民意に寄り添った議論を深める力になります。ぜひ傍聴にお越しください。
北朝鮮のミサイル発射を強く非難する
党中央委員会は2月7日、以下の声明を発表しました。
一、北朝鮮は、7日午前、事実上の弾道ミサイルを発射した。1月6日の核実験に続く今回の北朝鮮の行動は、核兵器の開発と不可分に結びついた軍事行動であって、国際の平和と安全に深刻な脅威を及ぼす行為であり、「弾道ミサイル技術を利用したいかなる発射」も行わないことを求めた国連安保理決議に違反するとともに、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙である。日本共産党は北朝鮮の行為を厳しく非難し、抗議する。
一、国際社会が一致して、政治的外交的努力を強め、北朝鮮に核兵器・ミサイルを放棄させるための実効ある措置をとることがいよいよ急務となっており、わが党はそれを強く求めるものである。
2016年2月7日
日本共産党幹部会委員長 志位和夫
市会議員柴田民雄活動日誌
- 4(木):三菱重工業小牧南工場の米軍F-35整備拠点指定に関するもとむら伸子衆院議員の名古屋市への調査に同席
- 5(金):議会改革推進協議会傍聴, 市予算説明会, 超党派同期会
- 6(土)〜10(水):インフルエンザ感染のため外出自粛
- 9(火):定例朝宣伝[鶴舞駅]
コラム:上を向いて歩こう
第8回:ロケット?ミサイル?北朝鮮の打ち上げた「人工衛星と称する事実上の弾道ミサイル」という報道に、「でも結局地球の周回軌道に入ったんだから人工衛星でいいのでは?」「そもそもロケットとミサイルって何が違うの?」と疑問に思われている方も多いかもしれません。
そもそもロケットとミサイルは技術的には大きな違いはありません。地球の重力圏を脱出する速度で打ち上げ、地球の周回軌道に投入する技術を使えば、地球の裏側まで搭載物を落下させることが可能となるからです。ざっくり言えば先端に核弾頭などを搭載し、標的上に落下させることを目的として打ち上げられるものをミサイルといい、人工衛星などを宇宙空間に運ぶことを目的としたものをロケットと呼ぶと言えます。軍事衛星を打ち上げるロケットもありますからロケット=平和利用というわけでもありません(カーナビやスマフォで利用してるGPS衛星は軍事衛星です、現役の!)。
世界で最初に人工衛星の打ち上げに成功したのは冷戦中のソ連でした(スプートニク1号=1957年)。これをきっかけに、その後のロケット・宇宙・核兵器開発競争が激化し冷戦は深刻化しました。副産物として、ミサイル開発で遅れをとった米国が、ミサイルで中枢が破壊されても機能を失わない分散型のネットワーク(ARPANET)を開発し、冷戦終結後インターネットとして発展しました。
戦後日本が誰にも非難されずにロケットを打ち上げ宇宙開発に邁進できたのは、憲法9条を持ち、航空宇宙技術を「絶対に」軍事利用しないと世界に公約していたからです。
しかし、米国が日本に対して軍事的貢献の要求を強めるのに従い、今や地元愛知の三菱重工がX-2国産ステルス戦闘機の機体開発を行い、米軍F-35戦闘機の整備拠点とされ、日本政府は宇宙法も軍事利用可能に変え、なし崩しに航空宇宙技術の軍事利用を進めています。これで隣国を非難する資格があると言えるでしょうか。
日本は世界に率先して、航空宇宙技術の平和利用限定の模範を示すべきだと私は考えます。