2月議会ハイライト②
個人質問(3/7)くれまつ順子議員
朝食を食べない若者 切れ目ない食育を
くれまつ議員は、策定中の第3次名古屋市食育推進計画について質問しました。
若い世代で朝食を食べない傾向が増えています。市の食育についてのアンケートを見ても、20代、30代の男性が欠食しています。くれまつ議員は、その原因を「雇用環境や家庭の貧困が大本にあるのではないか、若者の2人に1人が非正規労働者、非正規で働く若者の2割が食事回数を減らしているといわれる」と指摘し、「労働・雇用の実態などにも目を向けたていねいな実態調査を行い、学生たちの新鮮なセンスも取り入れた朝食の啓発を」と求めました。
栄養教諭は中学校全校に配置を
若者の朝食欠食傾向を改善するためにも、子ども時代の食育が重要です。くれまつ議員は、2005年から始まった、学校への栄養教諭(栄養教諭免許資格をもった正規の教員)の配置を求めました。本市では栄養職員が免許取得などで、栄養教諭は76名になりました。教育長は、「自校調理場のある中学校3校に栄養教諭2名、学校栄養職員1名を配置しているが、残り108校は自校調理場がないため、法律上、栄養教諭等の配置対象になってない」と答弁しました。
くれまつ議員は「若者の食育という点では、こども青少年局と連携したとりくみも大事」と強調しました。
衛生研究所の機能強化・放射性物質の検査情報発信を
市立衛生研究所は、インフルエンザや感染症に関する検査や研究をはじめ、食中毒から食品添加物、残留農薬、放射能など食品の安全性を確認する各種の検査や研究など、幅広い活動を行っています。
施設の老朽化により2019年に現在の瑞穂区から守山区に移転する計画です。くれまつ議員は現行の研究体制について、「技術職員は36人。横浜市61人、大阪市57人、京都市48人に比べ、あまりにも少ない」と述べ、体制の強化を求めました。さらに、同研究所の食材の放射性物質検査・発信について「検査結果はHPでは公開しているが、市民の不安が強い放射性物質に関する情報は、一層わかりやすく知らせるべきでは」と求めました。
健康福祉局長は「業務に見合った研究員の確保に努める」「よりわかりやすい内容になるよう工夫し、食の安心につながるよう努めたい」と答えました。
個人質問(3/7)柴田民雄議員
市民文化の振興のために不足する稽古場対策を
柴田民雄議員は本会議で3月7日、市民の文化活動の稽古場不足への対策、次期文化振興計画策定に当たっての局横断的な取り組みについて個人質問を行いました。
新局は「市民文化の振興」軽視では
名古屋市では、観光と文化と国際交流に力を入れると「観光文化交流局」を新設することに。柴田議員は、文化施策に力を入れることを歓迎しつつ、この新局が「観光」すなわち他地域や外国からの「人寄せ」に重きを置きすぎるあまり、「市民文化の振興」を軽視しているのでは、と問題提起。
実際に予算説明でも、文化振興費そのものは増額されているものの、市民自身が文化芸術表現活動に主体的に参加するための保証である、活動拠点の整備拡充や活動支援事業などの予算があまり見当たらない、と指摘しました。
演劇練習館(アクテノン)は飽和状態
市内で唯一24時まで利用できる、中村区内の演劇練習館「アクテノン」は人気が高く、平均利用率は98.9%。これ以上は新規に借りることは絶望的、と柴田議員。文化小劇場に付属する練習室は、昭和文化小劇場以外はどこも、ステージの付随施設のような設計になっているため、ステージで別団体が上演している間は事実上使えません。生涯学習センターやコミュニティセンターでは、大きな音が出る練習は苦情が出るため、利用を断られます。
追加の防音工事を既存施設で
柴田議員は具体的に、新局で以下の事業に取り組むことを提案しました。
- 生涯学習センターやコミュニティセンターに、追加の防音工事を施して、大きい音を出せる部屋を1部屋でも造る。
- 「まちづくり」や「商店街活性化」と結びつけて「空き店舗」に、市民が気軽に集まる、防音設備も備えた施設を造る。
- 工業地帯や港湾地域の空き倉庫、廃業した工場の跡地などを有効活用。
- 既存施設の閉館時刻を延長し、22時以降も利用可能に。
市民経済局長は、アクテノンなど既存施設を利用していただきたい、練習場の確保は市民の皆さんの支援と協力が必要、と答弁しました。
次期文化振興計画に市民活動支援を
併せて柴田議員は、次期文化振興計画を策定するに当たっては、市民の自発的な活動を支援する施策を、社会教育の重要な一事業として位置づけて他局とも連携して知恵出しを、と求めました。
教育長は、必要性など鑑みながら社会教育推進の観点から進めていきたい、と答弁。市民経済局長は、「観光文化交流局」にて市民文化の振興もしっかり取り組んでいく、と答弁しました。
個人質問(3/8)高橋ゆうすけ議員
専任司書の配置で学校図書館の充実強化を
市内中学生の24%が読書せず(全国平均は15%)
3月8日、高橋ゆうすけ議員が個人質問。学校図書館司書の充実強化を求めました。
蔵書少ない、開館時間短い、司書いない
名古屋市内の小学生の不読率(1ヵ月に一冊も本を読まない子どもの割合)は、全国平均3.8%に対し、7%とほぼ2倍となっています。また、中学校は全国平均15.0%に対し、名古屋市は23.6%と、看過できない状況です。
高橋議員はその背景について学校図書館の整備が遅れている問題があると指摘しました。蔵書数についていえば、国基準(学校図書館図書標準)を達成している学校は全国平均57%を10ポイントも下回る47%。開館時間は、小学校では授業の合間の休み時間だけ。中学校もほとんどの学校で昼休みしか空いていません。さらに、専任の司書もおいていません。
こうした市内の学校図書館の現状について、高橋議員が市の認識を問うと、下田教育長は「蔵書数は、国標準に近づけるよう努める」と述べるにとどまりました。
司書活用「利用増え、学習も意欲的に」
高橋議員は、学校図書館が果たす機能について、「読書センター」「学習センター」「情報センター」の3つとともに、子どもたちが安心して過ごせる「居場所」としての機能が求められていると指摘。
すべての小中学校に学校司書を配置し、利用しやすい図書館づくりをすすめている岡山市のとりくみを踏まえ、名古屋市が有償ボランティアを配置している小中4校(各週2日、1日5時間)のとりくみについて、説明を求めました。
下田教育長は、司書が、子どもたちにわかりやすい図書の配架や、本を紹介するポスター、季節に合った装飾品等を作成し、温かみのある使いやすい学校図書館となったと説明。その効果について「利用する子どもの数が増え、子どもたちが調べ学習等に意欲的に取り組むようになった」「今後は、こうした実践校での成果をもとに、学校司書を配置できるよう種々の角度から検討します」と述べました。
下田教育長はまた、ふさわしい司書のあり方について、「司書または司書教諭といった専門の資格を持った人材が相応しい」と述べました。
「どえらい、ええこと。(ただし)ボランティアで」(市長)
市教育委員会は来年度予算で学校司書の配置を市長に求めていました。しかし、河村市長は市長査定で認めませんでした。高橋議員は河村市長に対し、「市長は子どもの声を聞くことの大切さを日頃から述べているが、学校図書館が子どもたちの『居場所』となり、その声を聞くことができるという場だという認識はあるか」と質しました。
河村市長は答弁で「(司書の配置は)どえらい、ええこと」と賛意を示したものの、「公務員ではない、近所のおばちゃんでもいいけど、ボランティアで」などと持論を展開。高橋議員は、昨年4月に施行された改正学校図書館法に触れ、「学校司書は職員でなければならないというのが法律の趣旨だ」と市長の認識をただすとともに、学校職員としての学校司書の配置を、できるだけ早く進めるよう求めました。
提案理由説明(3/8)西山あさみ議員
日本共産党は定数75を維持した改正条例案を提出
自民・民主・公明の3党が3月8日提出した、議員報酬引き上げ条例改正案と議員定数条例改正案に対し、日本共産党は議員定数条例の改正案を提出、西山あさみ議員が提案説明を行いました。
名古屋市議会基本条例はその前文で、「私たち名古屋市会は、選挙で選ばれた議員で構成される市民の代表であり、市民自治の要である」とし、「市民に身近な存在であり、多様な意見を反映することができる議会のさらなる充実と強化が求められている」と定めています。
現在の75名議員定数は、市民の多様な意見を議会に反映させるために最低限必要な定数であり、その数は維持することともに、5年毎に行われる国勢調査の結果を受け、人口に比例した議員数に改定し、より公平な市民の意見を議会に反映させる必要があります。
具体的には、平成27年国勢調査の人口速報値が官報で公示されました結果をもとに、東区、中村区において、選挙すべき議員の数を1増1減とするものです。
議案質疑(3/8)山口清明議員
自・民・公が提出した議員定数削減条例に対し、山口清明議員が質問。公明党の田辺議員が答弁に立ちましたが全く無責任な答弁でした。
何のための定数削減か▷▶他の政令市でも(田辺議員)
市民の暮らしが大変なので議会も「身を切る改革」かと思いきや、報酬引き上げとセットの改正。定数7減による経費削減額は、政務活動費込みで年間9800万円ですが、報酬引き上げの総額は7減の68人分でも年間約4億4400万円と焼け太りです。山口議員は「第一に、定数を削減する最大の目的は何か」と質問。
公明党の田辺議員は「他の政令市でも削減されている。政令市で一番の削減率だ」。
市政の監視機能が弱まる▷▶議員の努力で(田辺議員)
市議会の大切な役割は、市政を監視し市長を暴走させない、市の仕事が適切に行われているかをチェックすることです。国会の議論では安倍総理も「行政府の長としては、チェックする皆さん(議員)の数を…どんどん減らしたらいいと言うべきではない」と言っています。
監視するために現行の定数75でも決して多すぎる数ではありません。副市長は2人から3人に、局長も13人から16人に増えます。山口議員は「いま、議会を小さくする理由はありません。なぜ自ら、議会の機能を弱めるのですか」とただしました。田辺議員は、「議員一人ひとりが今まで以上に努力をして解決すべき」と答えました。
多様な民意が切り捨てられる▷▶議員の努力・覚悟の問題(田辺議員)
議会基本条例には議員定数は「各層の多様な民意を市政に反映させるために必要な人数を確保」するとしています。削減対象7区中4区で人口が増えているのに議員を減らすことは市民の声が届きにくくなり、いわゆる死票も17%から22%に、有権者の2割を超える声が切り捨てられます。山口議員は「定数削減は市民の多様な意見を切り捨てます。議会基本条例とは相いれないのではありませんか」とただしました。田辺議員は「議員の努力、覚悟の問題」と論点すり替えの答弁でした。(続く)
▶▶▶ 昭和区市政ニュースNo.46に続きます。
市会議員柴田民雄活動日誌
- 15(火):定例朝宣伝[御器所], 総務環境委員会[総務局総括質疑]
- 16(水):総務環境委員会[環境局総括質疑]
- 17(木):総務環境委員会[意思決定]
(コラム「上を向いて歩こう」はお休みします)