柴田民雄市政ニュース2018-10-21_No181.pdf
9月定例会ダイジェスト④
議案外質問(9月21日)高橋ゆうすけ議員
猛暑の名古屋でこそ自然エネルギーの活用を
太陽光発電の2030年目標達成で、南区と港区の電気使用量が得られる
高橋ゆうすけ議員は9月21日の本会議で、自然エネルギーの導入促進を提案しました。
熱中症搬送が昨年の3倍に
今年の夏は記録的な猛暑が続き、35度を超える猛暑日が36日、40.3度を記録した日も。熱中症で搬送される市民が昨年の3倍にもなりました。
高橋ゆうすけ議員はこの猛暑の背景として地球温暖化を指摘し、温室効果ガスの排出量削減を求め、太陽光発電や地中熱利用など自然エネルギーの積極的な活用を提案しました。
熱中症の救急搬送件数(名古屋市消防局)
2017年
2018年
7月
373
1,301
8月
270
645
計
643
1,946
日照時間が長い名古屋の特性を生かせ
名古屋市の低炭素都市なごや戦略第2次実行計画では、2013年度の温室効果ガス排出量は1990年比で△8%を実現したものの、このまま温暖化対策を行わないと2030年度には2013年度比で9%の増加となることが指摘されています。高橋議員は、「猛暑の名古屋だからこそ自然エネルギーの導入と促進で、野心的な目標と計画を持つべき」と指摘し、市民発電所への支援や産業型の屋根貸し、臨港地区の倉庫や大型展示場、ショッピングモールなどの屋根や壁面の積極的な活用など、自然エネルギー導入促進計画を作るよう求めました。
メリットを積極的に啓発し、増加したい(局長)
2017年12月末現在で太陽光発電は19万4千キロワット、市民の電力使用の6%を賄っていますが、市の現行計画でも2030年度は37万キロワット、世帯使用量の11%になります。これは南区と港区をあわせた世帯が使用する電気量に匹敵します。固定価格買い取り制度の買取価格が低下して導入量が低下しますが、名古屋市は「導入メリットを積極的に啓発し導入を増加させたい」と答えました。
地中温度を生かして省エネ化を
改築計画中の中村区役所などで先行事例を
高橋議員は太陽光発電以外にも、小水力や地中熱などの自然エネルギー利用の促進を求めました。地中熱を利用した冷暖房システムは、いつも15℃と安定した温度の地中熱をヒートポンプなどで建物内の温度管理に利用するというもので、老朽化して移転改築を行う中村区役所に、率先して地中熱利用を進めてはどうかと提案しました。局長は「民間事業者にノウハウを生かした提案を求めている。最適な提案を選定したい」と答えました。
低炭素化促進に家庭用地中熱利用を
さらに、家庭での地中熱利用ヒートポンプ導入について、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・太陽光発電設備・蓄電システム・エネファームに加えて、低炭素化促進補助に家庭における地中熱利用ヒートポンプ導入の際の設置補助も新設してはどうか」と求めました。局長は「太陽光と効果を比べつつ研究したい」と答えました。
高橋議員は「もっと前向きに、積極的にやるべきだ」と強く求めました。
議案外質問(9月25日)江上博之議員
天守閣木造化2022年にこだわるな
「10月文化審は時間的に大変厳しい」(観光文化交流局長)
9月25日の本会議で江上博之議員は、2022年天守閣木造化の見直しを求めました。
10月の文化審に間に合わない
木造復元のためには文化庁の許可が要り、そのためには5月か10月の文化審議会(文化審)で基本計画書案が認められる必要があります。市は今年10月の文化審を経て許可を得るつもりでしたが、前提となる石垣部会との調整がとれていません。「10月文化審には案をはかれないと明言を」との江上議員の追求に、観光文化交流局長(以下局長)は「時間的に大変厳しい」と答えました。
現状変更許可取得までの予定(名古屋市)
時期
内容
2018年5月末
木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針決定
*基本計画策定までの課題
天守木造復元の意義についての説明/基本計画に必要な石垣調査の取りまとめ/穴蔵石垣の保全と観覧者の安全性を考慮した基礎構造の検討
7月
基本計画の策定。石垣調査取りまとめ文化庁復元検討委員会(想定)
9月
現状変更許可申請(想定)
10月
文化審議会(想定)
まずは石垣の保全を
文化審に間に合わない理由は、特別史跡に指定されている石垣の損傷が激しく、その保全策について名古屋市と石垣部会とで意見が異なるからです。江上議員が「市は石垣の一部を保全し、天守閣木造後に本格的に保全する計画だが、石垣部会の指摘するとおり、まず石垣保全を最優先にすべき」と主張すると、局長は「石垣部会は本市の石垣保存方針では不十分と考えていると認識している」「詳細調査に基づいて、保存方針を立て適切な対応をとる」と答えました。
市みずから現天守を高く評価
文化財として存続する選択肢を
市は文化庁から「現天守を解体するにはなお議論を尽くす必要」を指摘されています。市が回答案(下図)を7月有識者による天守閣部会に提出したことを受け、江上議員は「現天守を文化財として残す選択肢を考えるべき」と主張しました。
現コンクリート天守の価値(名古屋市)
- 市民の熱意で再建した戦後復興の象徴「二度と焼失しないようにという願いも込められていた」
- 史資料に基づき、焼失前と寸分違わぬ精密さで復元された外観、らせん階段や人造大理石の柱など近代建築技術の粋を集めた内装など、モダニズム建築としても文化財としての価値
- 博物館機能
見直すつもり全くない(市長)
「2022年完成にこだわることが原因。計画の見直しを」と江上議員が求めても、河村市長は「計画を見直すつもりは全くありません」と述べるだけでした。
9月以降、新聞各社も2022木造化を疑問視する記事を載せています。
市会議員柴田民雄 活動日誌
- 9(火):朝宣伝[いりなか駅], 財政福祉委員会, 有罪率9%の壁をいかに打ち破ったのか-名古屋・白龍町マンション事件-
- 10(水):財政福祉委員会
- 11(木):財政福祉委員会
- 12(金):財政福祉委員会
- 13(土):公衆衛生の未来を考える, 愛知介護の会総会
- 14(日):滝川学区親子ふれあいフェスタ, 県キャラバン宣伝, 昭和区いけばな展
- 15(月):金山宣伝, 財政福祉委員会
(コラム「上を向いて歩こう)はお休みします。