7月25日(月)、ホームドアが設置されている地下鉄桜通線「丸の内」駅で、自殺と思われる人身事故が発生しました。
ホームドアは、事故や自殺を防ぐうえで非常に効果が高いと考えられており、この人身事故は衝撃的なものでした。調べてみると、桜通線は、乗降客の増加を見越して8両編成に対応できるよう長いホームになっており、現状5両編成で運行しているため、ホームドアも5両分しか設置されていません。残りは簡易な鉄柵が設けられているだけで、しかも柵はホームの途中で折れ曲がり、その向こう側のホームは照明も暗くなっています。監視カメラからも死角になっており、保安職員の出入りのための通用口は施錠もされておらず、誰でも気づかれずに侵入できる状況でした。
翌日には、ホームドアの無い鶴舞線省内緑地駅でも自殺と思われる人身事故が起こりました。ホームドアの設置を急ぐとともに、構造や人員配置などに問題はないかどうかなど総合的な安全対策の確立が求められています。7月29日(金)市議団は、交通局に以下の項目で緊急申し入れを行いました。
- 丸の内駅の使用していないホーム両端部分への立ち入りを防ぐために、柵の出入り口の施錠や立ち入り禁止の表示などの対策を緊急に講ずること。
- 同様の問題点があると思われる桜通線全駅のホームを点検し、危険個所への立ち入りを防ぐ対策をとること。
- 地下鉄各駅のホームの安全対策について要因配置を含めて再点検し、線路やトンネルへの進入を防ぐ手立てを徹底すること。
- 鉄道自殺を防ぐために、健康福祉局等と連携して必要な対策を総合的に検討すること。
対応した交通局の担当者は、すでに点検と「立ち入り禁止」の標識を設置するなどの対策を始めている、と答えました。