党市議団2020年度予算要望を提出
党名古屋市議団は9月10日、2020年度の予算編成にあたって、市民の暮らしを守るために必要な354項目の要望書を河村たかし市長に提出し懇談しました。
子育て応援など354項目を要望
懇談では各議員が、国民健康保険料の大幅引き下げ、子どもの通院医療費無料化の18歳までへの拡大、小学校給食費の無償化、敬老パスは利用制限を設けずJR・私鉄へ利用拡大することなど、市議選で掲げた公約を中心に要請。
市長は「医療費無料化拡大はやりたい」「敬老パス利用拡大は今年度中には方向性をだす」と応じました。
さらに、災害時の妊産婦専用の避難所を設ける提案に対し市長は「これはいい。やらない理由がない」と回答。相生山の道路の廃止要望については「(道路廃止の都市計画の)変更はない」と答えました。
(詳細な予算要望書は市議団Webサイトをご覧ください。http://www.n-jcp.jp/budget)
名古屋市会9月定例会
名古屋市議会の9月定例会が9月10日から10月10日の会期で行われています。提案された議案は、「名名古屋市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正」などの条例案18件、補正予算案3件、「名古屋市総合計画2023の策定」などの一般案件6件の計27件でした。教育委員の選任案や2018年度決算認定案が後日追加提案される予定です。
一般会計補正予算案は総額1億2,946万円余。ささしま地下通路の調査費や学校統廃合のための審議会設置費、民間福祉施設のブロック塀の改修や非常発電機設置の助成費などが計上されています。
個人質問(9月13日)田口一登議員
トリエンナーレ河村市長介入問題
9月13日の名古屋市会本会議で、田口一登議員はあいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」について質問しました。
河村市長は「平和の少女像」などの展示が「日本国民の心をふみにじる行為」などと述べ、実行委員会会長の大村県知事に即時中止を求めた結果、展示が中止に追い込まれました。
表現の自由に対する「検閲」–政権に批判的な展示はするな?
田口議員は、「市長の行為は、憲法21条が保障する表現の自由を侵害するものではないのか。憲法21条は検閲を禁止しているが、市長が表現の内容に異議を唱えて展示の中止を求めるというのは、事実上の検閲にほかならないのではないか」「市長の考えは、国や自治体が主催者の一員となった展覧会では、時の政権の立場に批判的な内容の展示はしてはならない。『政治的中立性』が担保された作品しか展示してはならないというものか」「多様な表現の機会を保障することこそ国や自治体の責務ではないか。芸術・文化への公的助成にあたって、国や自治体は〝金は出しても口は出さない〟という原則を守るべきではないか」と追求しました。
市長は、「あいちトリエンナーレは公共事業であり、公共性はチェックされるものなので検閲ではない」「政治的中立性は意識しなければならない。憲法15条では公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないと定めている」「口は極力出さない。今回は展示作品の内容が事前に隠されていたので、ちょっと待ってよと言ったのだ」と答えました。
軍の関与と強制性を認めた河野談話–日本軍慰安婦を認めない市長
河村市長が問題にしている作品の一つが日本軍「慰安婦」を題材にした「平和の少女像」です。河村市長は日本軍「慰安婦」問題の存在を認めようとしませんが、日本政府の公式の立場・見解は、1993年8月4日に出された河野洋平官房長官談話です。
田口議員は、軍の関与と強制性などを認定した「河野談話」の内容を示して、「『河野談話』が認定した事実を認めるか」と市長に問いましたが、市長は、衆議院議員時代に日本の国会議員がワシントン・ポストに出した強制連行を否定する全面広告に署名していると述べるにとどまり、政府見解への答弁を避けました。
行政が表現の機会を保障してこそ表現の自由が守られる
行政が表現活動の場所を提供し、お金も出して、表現の機会を保障してこそ、表現の自由が成り立ちます。
田口議員は、「『政治的中立性』を口実に、行政が表現の機会を保障しないということは、表現の自由の重要性を認識していないことになるのではないか」と追及しました。市長は、「公共がやると慰安婦像にたいする国の主張を認めたことになる。」と答弁しました。
慰安婦問題はなかったという歴史修正主義から見る市長
田口議員は、「行政が認めたと誤解を与えるというのは、市長が日本軍『慰安婦』問題はなかったとする歴史修正主義の色眼鏡で見ているからではないか。芸術作品に対する評価は、見た人に判断してもらえばいいのです」と反論。「市長が行った中止要請は、表現の機会と見る権利を奪った、公権力による表現の自由の侵害だ」と厳しく指摘しました。
トリエンナーレ問題で緊急シンポ
9月18日(金)夜、愛知県芸術文化センターアートスペースで、緊急シンポジウム「『表現の不自由展・その後』と歴史の真実~日本軍「慰安婦」など歴史の真実に向き合い、未来の教訓に~」が、革新・愛知の会らの主催で開催され、もとむら伸子党衆院議員や、企画展の出展者の一人、写真家の安世鴻(アン・セホン)氏らがパネリストとして発言しました。
安氏は、「脅迫で展示が中止されるならこれから誰が表現をするのか。…自粛する社会になる。…大村知事は自由で安心して鑑賞できる場を市民のもとに返してほしい」と訴えました。
この問題については、「表現の不自由展・その後」実行委員会が展示再開を求める仮処分申請を、9月18日(金)名古屋地裁に申し立てています。
昭和区平和のつどいに300人
9月22日(日)昭和文化小劇場で行われた第13回昭和区平和のつどいには市民300人が参加。ママの会呼びかけ人の西郷南海子さんの講演などを、満席の会場で聞き入っていました。
【お知らせ】今後この柴田たみおニュースは月2回のペースで発行してゆきます。ご了承ください。