トピックス

柴田民雄ニュースNo.56(2019-12-15)

市教委が学校給食値上げ

年間6600円も負担増(小学校)
せめて値上げ分は市が補助せよ

名古屋市教育委員会は、12月4日の市議会教育子ども委員会で学校給食費の値上げ案を示しました。小学校給食は月額3,800円から4,400円に600円(約16%)の値上げ(年間11ヶ月分6,600円の負担増)。中学校スクールランチは1食280円から320円に40円(約14%)値上げします。市は、来年4月から実施する方針です。
市は2009年以降、物価が上がっても給食費を値上げせずにきました。しかし今後は、物価が5%ほど変動する度に、給食費を改定する方針も表明しました。

給食の充実は必要

この間、消費税の5%から8%への増税もあって食材価格が上昇。とんかつをコロッケに代えるなど安価な食材を使用するなど、献立の工夫で給食費を維持してきましたが、もはや限界といいます。
さまざまな献立を提供するなど、子どもたちにとってより楽しく豊かな給食にするために、食材費(おかず代)にかける費用を引き上げることは避けられません。

給食無償化へ自治体続々

しかし、消費税増税を含む物価上昇がわずかな賃上げも吹き飛ばし、実質賃金が低下しているもとで、給食費の大幅な値上げは、子育て世帯の家計に大きな負担増をもたらします。
学校給食については、子育て世帯の負担軽減の観点から、無償にする自治体や助成制度を 創設する自治体が増加している中で、給食費の値上げは、時代の流れに逆行するものです。
小学生のいる家庭では一人あたり年間6,600円となる負担増になります。保護者のみに負担 を押し付ける値上げ提案は容認できません。

「給食あり方懇談会」では無償化も含め検討されている

教育委員会は今年度、有識者などでつくる「学校給食のあり方懇談会」で無償化を含む給食費のあり方や給食内容の充実について検討してきました。
日本共産党のさいとう愛子議員は、この教育子ども委員会で「懇談会での保護者負担の軽減の議論は、今回の給食費値上げにどう反映されているか」と質問。市は回答を避けました。

せめて値上げ分は市が補助せよ

学校給食の無償化は、「義務教育は無償」という憲法の観点からも求められています。せめて食材費の上昇分については、市が補助する制度を設けるべきです。子育て世帯の給食費負担を増やすことなく、給食内容を充実させることを求めていきましょう。

県下自治体の給食費独自補助策

岡崎市 2014年の消費増税分3%を補助 4月分は無償化
津島市 1食15円を補助
豊田市平均1食15円を補助
安城市第3子以降を無償化
東海市2014年の消費増税分3%を補助
岩倉市第3子以降を無償化
豊明市材料費の10%を補助
日進市地産地消につき1食3円を補助
愛西市1食10円を補助
みよし市2014年の消費増税分3%を補助
あま市1食10円を補助
長久手市1食20円を補助 地産地消推進負担1円を補助
東郷町2019年の値上げ分1食20円を補助
豊山町 半額補助
大治町月200円を補助
蟹江町1食30円を補助
飛島村月600円を補助

えっ!議決無しで値上げできるの⁈

学校給食費は、市の予算を通さない「私会計」扱いのため、議会承認が不要で、市教委が決める仕組みになっています。値上げが決まれば、来年1月には各学校に通知され、4月には実施される見込みです。市民の反対の声を上げて値上げを撤回させましょう。

給食に発がん性物質か参院連合審査 紙氏政府対応ただす

給食を巡っては国の規制緩和が懸念されます。【赤旗11/29報道より】日本共産党の紙智子議員は11月28日、日米貿易協定をめぐる参院外交防衛、農林水産、経済産業の各委員会の連合審査で、トランプ米大統領が狙う食の安全の規制緩和にかかわって、米国メーカーの農薬に含まれ、発がん性が指摘される化学物質グリホサートが、学校給食のパンから検出されている問題で、政府に対応を求めました。江藤拓農水相は「学校給食については、少しステージが違うと思うので、考えたい」と述べました。

質問する紙智子議員(11月28日参院連合審査会)

紙氏は、日本が年間500万~600万トンの小麦をアメリカから輸入し、農水省の検査で、小麦に残留しているグリホサートの検出率はアメリカ産は98%に上ると指摘。農民連食品分析センターの検査を紹介し、「国産小麦を原料とした食パンからは検出されていない。輸入小麦を使用した食パンからは検出されている。学校給食のコッペパン、食パンから0.05~0.08ppm。感受性が強い子どもが食べて大丈夫なのか」と政府の対応を求めました。

紙氏は、グリホサートを主成分とする除草剤のラウンドアップの訴訟が、アメリカで急増している中で、日本政府が農薬メーカーの要望に応えて、2017年にグリホサートの残留基準値を最大100倍まで緩和したことを批判しました。

ゼンハニーカットさん講演満員

GMO(遺伝子編集)食品について規制がなく、企業任せのアメリカでは、すでにゲノム編集された大豆やトウモロコシの商業用栽培が行われています。アメリカで母親の立場からその危険性を訴えている市民団体、マムズ・アクロス・アメリカの創設者、ゼン・ハニーカットさんの講演会が12月3日名古屋中央教会で行われ、柴田前市議も参加。定員400人の会場は聴衆で満員でした。

ゼン・ハニーカットさん講演会の様子(12/3 名古屋中央教会)

ゲノム編集で農薬耐性の強い作物が作られグリホサートが多用されるようになるのに伴って、穀類だけでなく穀類を餌とする卵や牛乳からも検出が広がっており、粉ミルクや母乳からも検出されています。まずは学校給食をGMO拒否、グリホサート拒否の国産有機食材で無償化することで、農家を大きく支援することができ、生産者と市場を変えることができるとの訴えに共感が広がりました。

平和のともしびウォークに480人

12月8日に市内一斉に行われた平和のともしびウォークには、今年は全体で480人が参加。 昭和区からは約100人が歩き、戦争よりくらし・福祉の充実を、改憲を企む腐敗した安倍政権は退陣、と訴えました。昭和区9条の会の龍は道ゆく人の注目を大きく集めていました。柴田前市議、もとむら伸子、近藤昭一両衆院議員、さいとう愛子名古屋市議らが参加しました。

昭和区9条の会の龍と、柴田前市議、近藤昭一衆院議員、もとむら伸子衆院議員

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