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柴田民雄ニュースNo.78(2021-03-21)

河村市長がよびかけた知事リコール署名で大規模偽造事件!無責任な態度の河村市長に市長の資格無し!

発端はあいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展その後」に対する干渉

2019年8月~10月に名古屋市と愛知県の共催で行われた「あいちトリエンナーレ2019」の中の企画展「表現の不自由展・その後」について、河村市長は(まさにその企画展が告発しているとおりに)「平和の少女像」の撤去を求めるという、憲法21条および文化芸術基本法違反の干渉を行いました。(事実上の検閲行為)
さらにTwitterで抗議行動を扇動したため、テロ予告などの脅迫電話(のちに逮捕)やFAXなどが殺到。運営の安全が守れないと、「表現の不自由展・その後」の展示すべてが中止を余儀なくされました(10/8に再開)。

「表現の自由」が脅かされるときは、国民の人権が脅かされるときです。文化・芸術を自由に創造し、また鑑賞することは国民の基本的な権利であり、それを保障することが行政の責務です。「表現の自由」を侵害する河村市長の行動は、行政の長としての資格を欠いたものと言わざるをえません。

あいちトリエンナーレの市負担分を支払えと提訴される

さらに河村市長は、翌2020年3月、「あいちトリエンナーレ2019」の名古屋市の負担金のうち未払い分約3300万円を、(自分が扇動した脅迫行為によって)一時的に展示が中止されたことを理由に、支払わないという暴挙に出ました。

あいちトリエンナーレ実行委員会は、決定通り支払ってほしい、と裁判に訴えました。

河村市長が大村県知事のリコールをよびかけ

この裁判に対する意趣返しとして、河村市長が呼びかけたのが、大村愛知県知事のリコール運動でした。

河村市長自ら、高須克弥氏に電話でリコール運動をやってほしいと依頼し、のぼりや説明文書など、様々な宣伝物に、河村市長の顔写真と、高須克弥氏の顔写真を並べて使用するなど、実質的に河村市長と二人が中心となってこのリコール運動が開始されました。運動団体に河村市長は名前こそ連ねていませんが、高須克弥氏と並んで河村市長の顔、声が先頭にある状況は、河村市長が中心にいたことを物語っています。しかもそれを、コロナの拡大するさなか、県と市が協力して全力で対処しなければならないその時に、この常軌を逸した行動をとっていたのです。このこと自体も、市長の資格を欠いたものと言えます。

そしてその結果、署名の83%以上が偽造であったこと、大量の名簿書き写しを下請けに出すなど組織的な不正行為が行われていたことなど、大規模不正事件といえる実態が明らかになりました。

自ら先頭に立って旗を振り、民主主義の根幹を冒涜した責任は重い。河村市長はもはや言い逃れのできない立場です。

名古屋市議会でも追及

この問題は、当然名古屋市議会でも追及されています。2月18日には「愛知県知事解職請求に係る不正署名問題について真相究明を徹底して行うことを求める決議」を全会一致で可決。

日本共産党の江上議員は、2月25日の本会議で、選管委員長の「大量の署名を偽造したとすれば、民主主義の根幹を揺るがすことにつながりかねない」との答弁を受けて、「だれが直接民主主義を冒涜したのか、責任はだれにあるかを明らかにしなければなりません。リコールの中心に河村市長がいました。」と追及しました。

減税大村光子議員に猛省と発言の撤回を求める決議

ところが、この江上議員の発言を受けて、減税日本ナゴヤの大村光子議員(昭和区)が「河村市長が署名の偽造に加担したかのような、河村市長が中心人物であるとのことが明らかになったとの発言があり、その発言は、市長の政治姿勢に対し、侮辱もしくは名誉毀損になりかねないものである」と発言し、議会は紛糾。
発言のどの部分が「署名偽造の中心人物」と言っているか、と聞かれても大村光子議員は「全体としてそういう印象を受けた」と答えるだけで、根拠を示せませんでした。根拠も無しに名誉棄損とされてしまうなら、議会での真相究明は不可能です。

大村光子議員に対して、「議案質疑に多大なる混乱を招いたことに対する責任を重く受け止め、猛省と発言の撤回を強く求める」決議が3月4日本会議で賛成多数で可決されました。

暴論で真相解明を妨害する議員は要りません。

卑怯!河村市長は知事リコール署名偽造事件の責任から逃げるな!

また3月8日の市議会本会議でも江上議員が、「2月1日の時点では『まったく偽造を知らなかった』と言ったのに、22日になると『昨年11月3日に分かった』と言い出した。なぜ分かった時点で調査しなかったのか」と追及。河村市長は「11月3日に秘書から、…聞いた気がする。犯罪の事実があるとは知らなかった」と答弁。江上議員は「毎日署名数がどれくらいあるか聞いているはず。それに比べて5倍もあったらおかしいと思わない方がおかしい」と批判しました。

また、河村市長が、10年前の市議会リコール(解散請求)の受任者3万4千人分の名簿を今回のリコール団体に貸し出したと発言した問題も追及。「名簿情報を第三者に提供しないとした約束(下図)に反する大問題だ」と述べ、当時の受任者に謝罪するよう求めました。河村市長は「問題ない。市政改革に使うと書いてある」などと詭弁(きべん)を弄(ろう)しました。

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