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柴田民雄ニュース No.125 (2024-05-05)

河村市長なごや平和の日制定に関する記者会見で戦争美化発言!撤回と謝罪を求めます

「なごや平和の日」の制定に至った経緯は、10年前の2014年に東邦高校の生徒会の皆さんが「私たち若者が戦争の体験を語り継ぎ、いのちのバトンをつないでいきたい」と「名古屋空襲慰霊の日の制定を求める請願書」を提出したことがきっかけでした。東邦高校の前身の商業学校の生徒・職員が軍需工場への動員中に空襲で死亡し、東邦高校では慰霊行事を続けてきたといいます。名古屋市に対する空襲は63回にのぼり、どの日を「慰霊の日」とするのかをめぐって10年の月日が費やされました。請願を提出した当時の高校生たちはとうに成人し社会人になっていますが、後輩たちが粘り強く運動を続けてきました。そしてついに、昨年11月に行われた請願審査で、この請願が全会派一致で採択され、それを受けて、2月定例会に、名古屋城の焼け落ちた1945年5月14日を、63回あった名古屋空襲による約8,000人の犠牲者に対する慰霊の象徴とし、慰霊の行事は通年でさまざまな形で行なってゆくという形で制定されることになりました。

しかし、4/22(月)名古屋市の定例記者会見で、河村たかし名古屋市長は、この「なごや平和の日」条例施行に関わって、次のような発言をしました。

「日本の若者が血を流さないでアメリカの若者に血を流させるというのは日本にとって相当不幸なことにつながる」「祖国のために命をささげるのは高度な道徳的行為」「このことを教育の現場でももっと考えないかん」と!

この発言は、祖国のために命を投げ出せ、とする戦前の思想そのままであり、あのアジアに対する侵略戦争を「祖国防衛のため」と偽り、特攻を美化した思想そのままを現代に持ち込むという、平和憲法を遵守すべき市長の発言として、絶対に許されないものです。同時に、戦前の軍国教育同様の道徳教育を実施せよと、学校教育の内容に干渉をする、二重に許せない行為です。

さらに「名古屋空襲慰霊の日」制定を求める請願を行なった高校生たちの、二度と戦争による犠牲者を出さぬこと、戦争という愚かな行為を二度と繰り返さないために、戦争体験の継承をとの思いを真正面から踏みにじり、「なごや平和の日」制定に賛同した多くの名古屋市民の心を深く傷つけるものです。

この発言は、名古屋市の公式YouTubeチャンネルの動画で見ることができます。

この動画の32:34あたりから「なごや平和の日」についての説明が始まります。ここではさほど不穏当な発言はありませんが、その後別の話題に移った後、質疑応答になってから問題発言が繰り返されます。50:56から中日新聞の記者の質問に対して「ベトナム戦争の時代は、日本は侵略をやった犯罪国家と言われたが、その後それはやっぱりおかしいということになった」「そういうことを教育でもちゃんと考えないかん」「トリエンナーレも最高裁でとんでもない判決になった」「祖国のために命を落とすというのは、相当高度な道徳的行為であることは間違いない」「そんなことは世界の常識」などと歴史修正主義の持論で教育に干渉する発言をしています。

さらにその後1:05:43からの朝日新聞の記者の質問に対して、再びはっきりと同様の趣旨の発言を繰り返しています。ひどいです。ご確認ください。

河村市長に対し、この発言を撤回し、名古屋市民に対して謝罪することを求めるオンライン署名をつくりました。ぜひご賛同ください。

また、SNSなどでの拡散にもご協力ください。よろしくお願いします。

なお、愛労連(愛知県労働組合総連合)幹部会は、河村市長の即時辞職を求める声明を発表し、4/25に申し入れを行うとのことです。

声明に賛同し、声明文を紹介します。

【声明】「国のために命を捨てろ」と市民と子どもたちに迫り、個人の思想と歴史観を市民に押しつける河村市長の即時辞職を求める

名古屋市長の河村たかし氏が4月22日の記者会見の中で、「軍人として命を失っていくことは。祖国のために命を捨てるというのは、相当高度な道徳的行為であるということは間違いない。」と断言した(以下、「河村発言」とする)。

愛労連も断言する。それは違う!あらゆる人のいのちは尊く、「捨てたり・捧げたり」するものではない。

日本国憲法は、第13条で「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と幸福追求権を定め、第31条では、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」と定めている。いのちの「私物化」は何人であろうが許されない。

表現の自由は尊重されるべきだ。しかし、基本的人権や生存権、幸福追求権を侵害する個人的な思想や歴史観の押しつけは、公平且つ平等に行政を執行する首長としての資質を逸しているといわざるを得ない。

見過ごせないのは「河村発言」のなかにみられる、「軍人として」、「祖国のため」、「命を捨てる」、「道徳的行為」、「間違いない」という独善的な単語への違和感だ。河村氏は、これまでもこうした言動や振る舞いを繰り返してきた。まさに平和主義を掲げる日本国憲法の理念とも、行政が掲げるダイバーシティ、SDGs等の理念とも相答れない「男性優位思想」、「優生思想」、「復古主義的思想」にみられる差別的な思想が見え隠れする。

わたしたち労働者は、平和で秩序ある社会の下でなければ、安心してくらし働きつづけることがかなわないことを、先の戦争から学んだ。ゆえに不戦を誓う日本国憲法の尊さを知っている。

残念ながら人に自然災害は止められない。しかし、河村氏が「残念ながら起こる」と表した戦争は、人の叡智で起こさず止められるものだ。日本国憲法はそのことを明確にしている。

「河村発言」は、為政者が過った価値観に基づく「道徳」を持ち出し、戦争で国のために死ぬことを礼賛し、いのちと人権を蹂躙するものである。まさに、民主主義への挑発であり、為政者の暴走だ。わたしたちは、市民と子どもたちの何ものにも代えがたいいのちと人権を否定する「河村発言」を、見過ごすわけにはいかない。

いうまでもなく、憲法は権力を持つ為政者の暴走を縛る役割を有している。さらに首長である河村氏には、憲法99条により、憲法を尊重することが義務づけられている。「河村発言」は明らかにそれに反するものだ。

河村氏自らが、「間違いない」とまで断言した発言であり、撤回したとしても許されるものでなく、公人としての言動に責任を持たなくてはならない。

愛労連は、河村たかし氏が直ちに市長を辞職することを強く求める。

2024年4月24日
愛労連第18回幹事会

【訂正】「やっちゃんちの憲法茶話会」について

本ニュース前号記事中、鶴舞総合法律事務所主催の、「やっちゃんちの憲法茶話会」について、2つの誤りがありました。

  1. 茶話会後の個別無料法律相談は「つるま法律倶楽部」または「支えあうぴーぷる」の会員が対象と記載しましたが、「どなたでも無料相談ができる」の間違いでした。
  2. 飲み物代として300円と記載しましたが、400円の間違いでした。

以上お詫びして訂正します。

やっちゃんちの憲法茶話会
日時:毎月第3火曜日10:00~12:00
参加費:飲み物代として400円
講師:鶴舞総合法律事務所 弁護士
場所:ガーデンカフェやっちゃんち
   昭和区八事本町31-4
主催:鶴舞総合法律事務所
茶話会後はどなたでも無料で個別法律相談を受けられます

なお、御器所のぴーぷるセミナールームでの「憲法カフェ」の方は、5月はお休み。6月24日は「今国会で上程されたいくつかの重要法案について」をテーマに実施するとのことです。

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