衆院補選・統一地方選後半戦
4月21日、衆議院沖縄3区、大阪12区の補欠選挙と、統一地方選挙の後半戦が行われました。
沖縄でオール沖縄の勝利
沖縄3区補選では、辺野古新基地建設が最大争点となり、「オール沖縄」の屋良朝博(やら ともひろ)候補が圧勝しました。自民党候補は、この間の選挙では初めて「辺野古推進」を公然と掲げて敗北。「新基地ノー」のトドメの審判となりました。
大阪で市民と野党の統一候補
大阪12区では、宮本岳志前衆院議員が無所属で立候補し、市民と野党の統一候補として奮闘しましたが残念ながら及びませんでした。しかしこのたたかいは、自由党、立憲民主党、国民民主党の代表をはじめ、6野党・会派から49人もの国会議員や元議員が応援に入るなど、市民と野党の共闘の今後の発展にとって大きな財産をつくりました。
後半戦では1,001議席を獲得
統一地方選後半戦では、全国の地方議会などで合計1,001議席を獲得しました。ご支援いただいた皆さんありがとうございました。
シリーズ市民税減税とは何か?②
財政局検証で経済効果はマイナス
条例に明記されているように、市民税減税の目的は、「現下の経済状況に対応し」、①「市民生活の支援」と、②「地域経済の活性化」を図ること、「将来の地域経済の発展に資する」こと(つまり現在と将来の「経済効果」)との二つです。
○名古屋市市民税減税条例(抜粋)
(目的)
第1条 この条例は、現下の経済状況に対応し、市民生活の支援及び地域経済の活性化を図るとともに、将来の地域経済の発展に資するよう、市民税の減税を実施するため、名古屋市市税条例の特例を定めることを目的とする。
https://www.reiki.city.nagoya.jp/reiki_honbun/i502RG00001234.html
前号ではこのうち目的①の「市民生活の支援」について、対象となる「市民」とは生活が苦しい庶民ではなく、特に支援が必要とは思えない高額所得者であることを確認しました。つまり、目的①は、最初から構造的に達成することができない目的を掲げているということになります。
今号では財政局が2017年に報告している市民税減税の検証結果を見てみます。
Webで「名古屋市 市民税5%減税 検証」などのキーワードで検索して表示される「名古屋市:市民税5%減税の検証について(平成29年度)(暮らしの情報)」のページで公開されています。(上図)
検証は[1]個人・企業へのアンケート調査、[2]マクロ経済モデルに基づくシミュレーション、の二つの方法で行われました。
企業アンケートの「5%減税分をどのように活用しましたか」に「従業員等の給与増や雇用の拡大」と答えたのは9.8%にとどまったことからも、減税が市民の給与アップにはほとんど繋がっていないことがわかり、目的①がここでもほとんど達成されていないことがわかります。
目的②現在と将来の「経済効果」について、報告書は、「計量モデルに基づき、市民税5%減税を平成24年度(2012年度)から10年間、継続して実施した場合に、市民経済計算における代表的な指標である市内総生産(名目)、民間最終消費支出(名目)及び企業所得に与える影響と、人口の社会増数及び税収に与える影響について、調査会社に委託して分析」しました。その結果、全ての指標で、市民税減税を行った方が成績が悪いという結果になりました。
報告書のシミュレーション結果は表のようになっています。
減税するので税収が下がるのは当然として、市内総生産、民間総支出、企業所得は直接的な経済活動そのものを示す指標です。これらが全て悪いということは、市民税減税によって本来伸びるべき経済活動が阻害されたということを意味します。また人口の社会増は、町の住みやすさ、ということも影響するかもしれませんが、仕事があるから引っ越してくる、という動機が最も大きいと考えられます。つまり、名古屋に就職に来る、あるいは、名古屋で事業を展開するために転勤になる、などの経済活動の反映ということです。この点でも市民税減税が本来の発展を阻害していると言えます。
また将来の経済効果としては、アンケートの「5%減税分をどのように活用しましたか」に、将来の投資につながるかもしれない「内部留保」と答えたのは15.8%にとどまり、将来の経済効果についてもきわめて限定的と評価されています。
法人市民税減税は廃止に
これらの「全面的に減税の効果がなかった」という検証結果を受け、法人市民税減税は今年度から廃止となりました。(続く)